2018年10月18日 意匠出願の流れ
今日は、意匠出願をした後の手続きの概要をお話しします。
出願の流れは、特許出願と若干異なる部分があります。
① 意匠出願後、特許庁により方式審査が行われます。
方式審査の内容は、主に、出願書類(願書、図面)がそろっているか、所定の出願料が納付されているかをチェックします。
② 方式審査を通過すると、出願日から6か月~1年程度で、特許庁から審査に関する通知を受けます。
特許出願の流れと異なる部分は、出願審査の請求は、する必要がありません。
出願内容に拒絶理由が見つからない場合、特許庁はその出願の登録査定をします。
登録査定の謄本を受けた場合、30日以内に特許庁に設定登録料を納付することにより、その出願を権利化することができます。
③ 出願内容と似たようなデザインが見つかった等の拒絶理由が見つかった場合、拒絶理由通知を受けます。この拒絶理由通知については、意見書で意見を述べる機会が与えられます(拒絶理由通知の発行日から40日の期限付きです。)。
この通知を受けた場合の対応は、特許出願の時とほぼ同じです。
ただし、意匠出願の場合、補正書で補正できる範囲は限られます。
図面のデザインを変更することは、基本的にできません。
願書の『意匠に係る物品』の記載を妥当なものに変更したり、説明欄を修正することぐらいしかできません。
応答後、審査官はその応答内容を吟味し、再度審査をします。
再度審査をした結果、審査官はその応答内容に拒絶理由がない場合、登録査定をします。
一方で、その応答内容に妥当性がない場合、審査官は拒絶査定をします(拒絶理由通知に応答しなかった場合も、同様に、拒絶査定をします。)。
以上がだいたいの意匠審査の流れとなります。
意匠出願は、拒絶理由がない場合、出願から1年程度で登録になります。
意匠出願で製品の外観の権利化を図り、特許出願で製品の内部構造の権利化を図るという戦略を立てることもできます。意匠出願は、特許出願よりも先に権利化できる可能性があり、競業他社に対し、その製品について優位性を示しことができます。意匠の権利化後、じっくりと特許の権利化を行うことができます。