2018年9月12日 発明の新規性について
今日は、「発明の新規性」についてお話しします。
特許で保護する発明は、従来技術(知られている技術)にない新たな技術についての発明であることが求められていますので、客観的に見て新しい(知られていない)技術についての発明であることが必要となります。
発明に新規性が有るか無いかの判断基準は、「時期」、「地域」、「内容(知られている技術かどうか)」に分かれます。
時期の基準は、その発明について出願をした「時」です。「時」を基準にしますので、午前中に発明について「研究発表会で発表した」、「新たな工法の試験施工を人前でした」、「新商品の試験販売をした」、「工場見学で新開発した技術の内容を話した」等を行った場合、午後からその発明内容について出願しても新規性がないことになります。
地域の基準は、国内技術だけでなく、外国で知られている技術も含みます。
内容の基準は、知られている技術かどうかが問われます。
発明した技術について秘密でない状態で公開された場合、知られている技術となります。上の例でいうと秘密にしておくことを約束せずに「新たな工法の試験施工を人前でした」時は、知られている技術となります。
また、発明した技術について、新聞・雑誌・公報などの印刷物やネットでアクセスできる電子出版物等が既に存在している場合、知られている技術となります。
特許庁審査官が特許出願した発明の新規性を判断するときは、特許出願した発明の内容と知られている技術(引用技術;特許庁が発行している出願公開公報や特許公報が引用される場合が多いです。)の内容とを比較します。
そして、出願された発明の内容に新しい部分(差異点)がある場合、発明の新規性があると判断します。差異点がない場合、発明の新規性がないと判断されます。
実用新案における新規性の判断基準も、同じように判断します。
次回は、「発明の進歩性」についてお話しします。